

こんにちは。やまもとです。
今月のブログは、コミュニティ形成においての
アプローチ手段の検討についてです。
僕たちのブランドタグラインは、
「インテリアの楽しさを、もっとたくさんの人に。」
です。
僕自身が、インテリアにはまりだしたのは、23歳の
時に、転勤で1人暮らしをはじめたことがきっかけ
です。
その頃に、休みごとにインテリアショップを訪れたり
ホームセンターをまわってはDIYをしたり、夜な夜な
部屋のレイアウトを変えたり。
そんなことがとてもとても楽しかった思い出を、
もっと多くの人に味わっていただくことが、事業に
もなり、また、世の中の生活が豊かになるのではな
いかと思って、掲げたテーマです。
会社を始めて7年ほどは、ECを中心に安価な商品を
多くのお客様に購入いただくことで、事業を少しず
つ大きくしてきました。
近年は、自社開発製品を中心とした事業に変遷し、
家具メーカーとしての一面も強くなってきたのと、
さらにオウンドメディアを強化することで、さらに
インテリアを好きになってもらうきっかけづくりに
も、強く注力してきました。
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前述の
- 自社開発製品
- オウンドメディア
の事業は、両輪で非常にうまく機能し、現在では
業界・一般を含めて、徐々に知名度も上がってきました。
今年4月には福岡店オープン、5月には本社移転、
7月にはSPA事業開始、また来年2月には書籍出版など
様々な取り組みを進めています。
社内メンバーもよく言いますが、他の企業に比べると
非常に早いスピードでさまざまな取り組みを進めて
います。
ただ、それとは反比例するように、ここ最近は、
思ったように事業が伸張せず、鬱屈とした焦燥感も
抱えているのが、僕の本音です。
コロナ特需が終わり、ウッドショックや円安など、
一気に悪い要素が出てきているので、以前のように
順風満帆ではないのは、うちの会社だけの現況では
ないでしょう。(事業成績自体だけを見れば、順調
な結果を残せていますので、ご安心ください。)
ただ、計画しているような成長を遂げられていないの
が、焦燥感の理由でしょう。
約3カ月後の9月には、会社の第15期も終わるため、
今の足踏み状態を乗り越えるべく、さらに勉強を
進めながら、新たなる指針となる道を探っている
今日この頃です。
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そんな毎日の中で、先日、ひとつ指針となりそうな
気づきがありました。
それは僕たちが持っている「メーカー」としての
側面に着目した気づきです。
メーカーとしてのものづくり体制も、1年間でがらっ
と生まれ変わるほどの活動をしてきていますが、
あまり表立って公表はしていません。
理由としては、小売りとしての面こそが、自分たちの
本質だとしている部分があり、最近は「小売り」とし
ての自分たちの力を伸ばすべく、メディアを中心とし
た「編集・発信」に力を特に注いできているからです。
メディア活動は、まだ社内がよちよちと歩き始めた
くらいですので、効果を求めるのは時期尚早では
と自戒してはいますが、それでも思ったほど効果
が出てきません。
労力に反して、期待していたアクセスとリピートが
集まらないのです。
メディアの活動には、
・テキストと画像で構成させる記事
・動画
の2種類があります。
また、ジャンル的には
・インテリアの基本を教える「基礎記事」
・ライフスタイルの楽しさを伝える「エモーショナル記事」
があります。
メディア活動の中では、ユーザーからのリアクション
が良いのは「エモーショナル」系の記事です。
教科書的な内容よりも、気軽に空いた時間に見たく
なるような内容の方が、ダントツでユーザーの
リアクションが良い印象です。
ただ、そのエモーショナルな内容をもってしても、
思ったような効果まではたどり着きません。
その結果の中で、頭をよぎりだしてきたのは、
「僕たちが、ユーザーに強く求められているのは、
ライトな編集・発信ではないのかも。」
という思いです。
「インテリア好きを増やす」という流れの中で、
入りとして触りのいい「&premium」や「道具店」
さんのような発信を打ち出してきました。
ただ、もしかすると、その方向は僕たちらしくない
のかもと思い始めてきたのです。
つまりは、旬な情報や、エモーショナルな感情の
持っていき場としての右脳的なメディア。
このメディアに僕自身があまり影響を受けておらず、
得意な分野じゃないために、指針を決めきれない
ところに結果のでない要因があるのかもしれません。
一方で、インテリアの教科書として、リリースして
いる「センスのいらない」「ナチュラルヴィンテージ
の作り方」の両シリーズは、書籍出版へとつながり、
論理的な左脳志向のこういうものは、やはり得意で
結果がでやすいのかもしれません。
そういう点では、エモーショナルな分野は、編集長
を立てて、しっかりと運用を任せてしまうほうが、
結果がでてくるような気もしています。
任せる勇気を持つ時のかもしれません。
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さて、話を戻しましょう。
成長方向に立てた指針が思ったよりも濡れ手に粟では
ないという中で、新たに道を検討しなくてはなりません。
その中で見えてきたのが、僕たちのもうひとつの強み
である「メーカー」としての側面です。
僕たちの企画する家具は、
・普段の生活を、心地よく変えてくれるもの
・(サイズや、用途可変的にも)長く使えるもの
・他にありそうで、ないもの
・痒い所に手が届いているもの
・価格と品質のバランスが良いもの
ということを意識して、作っています。
デザインの美しさだけを競うことも多い業界で、
様式美としての側面や、ユーザーの生活側から
家具の在り方を見ることをしてきたのが、大きな
特徴だと思います。
ですから、新作家具をリリースするたびに
「企画経緯とコンセプト設計」を自ら執筆し、
どんな経緯で作ろうと思い、どのような仕様になって
いて、どのように使ってもらうことをイメージして
いるのかを、必ずブログに残してきました。
オリジナル家具の企画経緯
自分自身が一番のユーザーであり、生活のあらゆる
場面において、解像度をあげて、暮らしの豊かさを
考えるようにしています。
この企画経緯を多くのお客様は読んでくださり、
共感してご購入いただいていると思います。
「そのモノについて深く知り、共感することで、
より愛着は深まる。」
と考えていますので、ある意味「編集・発信」の
強さが、そのままメーカーとしての側面を支えている
のは間違いありません。
「どこよりも生活者として側からの心地よさ考え抜き、
それをきちんと表現し、伝える。」
「カスタマーサクセスをベースに家具をつくる。」
このあたりの考え方が、僕たちのメーカーとしての
強さであり、その強みを、来期はさらに伸ばして
いこうと考え始めました。
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そう思うに至ったのは「snow peak」の影響です。
「snow peak」については、カンブリア宮殿を見て
いたり、会長の本を読んでいたりして、なんとなく
知っていました。
僕はキャンプをしたことがないので、
「なんとなく良いブランドなんだろうなー」
「ロゴかっこいいしなー」
「色使いとかも、くすぐる感じだなー」
「アパレルとかロゴイメージを推してやってるなー」
くらいのイメージでした。
深くは知らないけれど、うまくコミュニティー形成
をやっているイメージで、ブランドイメージを上手
に使って、ファンを抱えているブランド...... 程度
の認識でした。
それがつい先日、多忙な仕事の中で、ふと1日余白が
出来たので、今後の事業展開を考えていくなかで、
メディアをより良い方向へ転換させるために
「なんとなくファン形成のうまいブランド」
の参考にしようと思い、過去2回にわたって放送され
たカンブリア宮殿の「snow peak」の回を改めて
見てみました。
そうすると、どうでしょう。
イメージしていた「ライトなファンブランド」とは、
実態は大きく異なっていました。
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番組を見ていると、ファン形成の上手さの前に、
製品に対する深い思いと工夫、アイディアと仕組み
に、満ちあふれていました。
スタッフは全員キャンパーで、だからこそ、お客様
よりも詳しく、欲しいモノが分かる。
永年保障で修理も自ら行い、接客も自社スタッフで
詳しく行う。
さらには、ユーザーとの接点も高頻度で持つことに
より、自社製品をさらにブラッシュアップしていく。
その姿は「職人」「マニア」「好きがあふれる」と
いうイメージがぴったりと当てはまるような
「玄人感」あふれるものでした。
ロゴだけがかっこいい「ライトなブランド」なんて
とんでもありません。
まさに「羊の皮をかぶった狼」のような
本物のプロ集団でした。
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自分たちの製品を良く見せようとするのではなく、
良いからこそ垣間見える「真実」がある。
ブランドロゴが美しいだけでなく、誰よりも自分たち
が一番のユーザーであるという「グレートアマチュア
リズム」なプロ集団感が、そこはかとなく漂っている。
だからこそ、ファンが集い、コミュニティーが
形成されている。
ファンコミュニティーを作ろうとしたのではなく、
ユーザーの声に真摯に耳を傾けていったら、自然に
ユーザーと接点が多くなり、コミュニティーが
出来上がっていた。そんなイメージでした。
「すばらしい。そうなりたい。」
素直に思いました。
キャンプ人口を増やすことを掲げているsnow peak
が「初心者向けの安価な製品」を作っているわけで
はないというところも、僕たちとの共通項として、
心を安心させてくれる要素でもありました。
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もしかすると、僕たちは「インテリア好きが集まる
コミュニティーを形成しよう」と、知恵を絞りすぎ
ていたのかもしれません。
持っている姿を、120%着飾って、一番良い姿を
見てもらおうと思っていたのかもしれません。
インテリアにおいて、何気なく部屋に飾られている
「好きが集約されたアイテムたち」が、ふと目に入る
美しさを十分に知っているはずなのに。
そう感じました。
ですから、来期は2014年頃の「snow peak」を参考
にして、お客様が「驚き、笑顔になり、感動し、心地
よく過ごせる」そんな家具を真摯に作っていくことを
あらためて、力を入れなおしてみようと思っています。
そうすると、その製品を起点として、インテリアを
好きになってくれる人が増え、また、そのことを
きっかけに、僕たちのファンになってくれるのでは
と考えています。
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さて、今月は思い立ったことを書き並べてしまった
ので、かなり雑文になってしまいました。
僕たちが近年やってきた道は、間違いだったとは思い
ませんし、途中でやめたり、諦めたりすることも
ありません。
ただ、良い意味での朝令暮改は、経営者としての
必要な条件であり、社内メンバーの幸せと、お客様
の役に立つためには、なくてはならないものだと
考えています。
「良い結果を出す」という唯一の目標を達成する事
によって、メンバーやお客様、友人や大切なひとたち
を、笑顔にしようと思います。
まだまだFlavorという会社は、ひとつのカタチに
とどまることなく、変化し続けて、その度に良い
カタチになっていこうと思います。
願わくば、これまでの15年がそうであったように、
5年後、10年後には、まったく別のカタチをした
会社になっていられたなと思います。
また詳しい方向性は、どこかの機会にもう少し
分かりやすい形で発表できればと思っています。
それでは、また来月に。