

こんにちは。やまもとです。
今月のブログは、ドラッカーの「顧客の創造」にル
ーツを持つ書籍に示唆を受け、僕の中に生まれた思
考の変化と、順序の整理について、備忘録の意味も
かねて、書いていこうと思います。
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僕はまだまだ経営者として若輩者のため、様々な本
を読んで、懸命に経営の勉強を重ねています。
経営やビジネスに登場する思考や実践方法について
は、多種多様な方向論があり、それぞれに魅力にあ
ふれているように見えます。
名著と呼ばれる普遍的なビジネス論もあれば、ネット
の情報メディアなどが発信する最新トレンドの経営
手法なども、様々に出て来ます。
その中から、あっちの経営思考が良いと思ったり、
こっちの経営思考がいいと良いと思ったり、とにも
かくにも、迷うわけです。
まぁ、若者が将来について迷うのは、可能性がたく
さんあるからに起因するわけですから、そういう意
味では、まだまだ可能性がたくさんあるという良い
意味での迷いでもあるのでしょう。
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そして、そんなたくさんの経営思考の中から、今の
僕の悩みを解決してくれそうな思考フレームワーク
があったので、それを記しておきます。
それは「顧客起点の経営」という本に書いてあった
言葉です。
著者の西口一希さんは、数々の会社で大きな成果を
残してきたマーケティングのプロフェッショナルです。
著者は、顧客にこそ経営の答えがあるということを
主張されており、その思考はあの有名なドラッカー
に大きな影響を受けているそうです。
下記の文章は、西口さんの著書からの抜き書きです。
「顧客の創造」を定義するなら、それは
1. 顧客が価値を見出す便益と独自性を提供しうるプロダクトを開発・改良・強化し、
2. その便益と独自性を「自分にとっての価値である」と認知できるように訴求し、体験していただく。
3. 結果、購入していただき、プロダクトの実使用時に、事前に期待されていた便益と独自性を超える実感を提供し、顧客の変化に合わせたプロダクトの改良・強化を通じて、継続的な購買を実現する。
4. そして新しい他のプロダクト提案にも耳を傾けていただける顧客の動態(カスタマーダイナミクス)を実現すること
です。
出典:顧客起点の経営(番号振り当ては、本書にはなし)
僕はドラッカーをまだ読めていないので、この言葉
が西口さんのものなのか、ドラッカーのものなのか
は分かりませんが、この「顧客創造」の流れに大き
なヒントを得ました。
ポイントは、
- 顧客創造の「順序」
- 競争優位を実現する強みとの紐づき
について示唆を得たからです。
1つずつひも解きましょう。
顧客創造の「順序」
この話で特に示唆を得たのは、ひとつはその順番です。
要点だけに絞ると
1. 便益と独自性を提供しうるプロダクトを開発・改良・強化
↓
2. その便益と独自性を「自分にとっての価値である」と認知できるように訴求
↓
3. 期待されていた便益と独自性を超える実感を提供し、改良・強化
↓
4. 他のプロダクト提案にも耳を傾けていただける顧客の動態を実現
と書かれています。
特に重要なのは、起点が「価値あるプロダクト」か
ら始まっているということです。
そして、次にプロダクトの良さを伝えることが大事
で、そこから顧客創造が広がっていくという流れで
あることです。
この順序に大きなヒントを得ました。
なぜならば、僕たちが最も他社と差別化できている
と自認し、最も尊重しているのが「2:訴求」だから
です。
僕たちの最大の競争戦略は「伝える力」です。
僕たちの作る(扱う)家具やインテリアアイテムは、
「世にない技術や素材を用いた、見たことない製品」
ではありません。
基本的には、生活の中で使うごく一般的な製品であり、
際立った技術革新はありません。
ただ、料理は塩加減ひとつや、出汁の取り方でうん
と味わいが異なるのと同じで、少しの使い方や材の
違い、サイズの違い、組み合わせの違いなどの工夫
によって、作り上げる製品です。
ですから、その違いを深く考察し、見立て、表現し、
編集し、製品を作り、その過程や、使い方を丁寧に
ひも解きながら、顧客のもとに届けるというのが、
僕たちの強みの本質だと思っています。
そのためのノウハウを15年にわたり蓄積し続け、
メンバーを育て、最適化を図ってきた歴史があります。
ですから、最大の武器は「2:訴求」であると考え、
そこを、戦略の先頭に置きがちなのです。
ただ、この書籍には「訴求」の前に
「開発」が来ています。
つまりは「開発」こそが起点だと言うのです。
今までは、ブランドを率いる立場として
「存在する物に対して、それを訴求するという、他社
が持っていない強みを、どう最大化させるか」
を、常に1番に考える思考のクセがありました。
その点において、このとても当たり前である「順番」
をあらためて認識する言葉は、非常に貴重な気付き
になったわけです。
これはつまり「卵が先か、鶏が先か」という迷いが
生じる論そのものです。
つまりは、事業に置き換えると
先にお祭りを開いて人を呼んで、そこでモノを売るのか
or
先にモノを作って、それを買うために人が集まるのか
という、僕に常に迷いを生じさせる2つの相反する
マーケティング論についての答えをもらった感覚な
のです。
つまりは、
先にメディア活動によって人を呼んで、そこで家具を売るのか
or
先により良い家具を作って、それを買うために人が集まるのか
という選択です。
そして、僕たちは前者をやれる資質があると自認し
ているからこそ、常に迷いの中にいました。
そこにおいて、後者を選択するという決断が出来た
感じなのです。
当然のことながら、開発と訴求のどちらか一方を捨
てるということではなく、思考的な順序選択という
ことです。
ちなみに、この気づきは、この書籍を読んで、実施
した「ロイヤルカスタマーの方々へのアンケート」
の結果の中で、やはりこの順序に倣った回答が圧倒
的に多かった事で、確信に至った経緯もあります。
競争優位を実現する強みとの紐づき
「1:開発」の活動を迷いなく強化し、頭の中の優先
順位を上げていくことは、非常に大切だという示唆
を得ました。
そして、もうひとつ大事なのは、僕たちがこれまで
最大の優先順位としていた「2:訴求」の強みが、し
っかりと、2番手の位置に存在しているという事です。
僕はこれまで、2012年に発売されたユニクロの柳井
さんの本に影響を受けて「2:訴求」を伸ばしてきた
側面があります。
該当部分は、以下です。
洋服には機能性の側面がある。
ヒートテックなら「暖かい」とか、ドライなら「夏を快適に過ごせる」といったことだ。
機能以外にも、着心地とか風合い、肌触りなど、いろいろな売れる要素がある。
ただし、そうした売れる要素は情報としてお客様に伝わらない限り、お客様も認識できない。我々はそれをお客様のニーズとしてとらえ、商品開発するとともに売れる理由、買う理由を伝えて売り込んでいく。
世の中には毎日毎日いろいろな商品が登場し、毎日毎日死んでいっている。お客様に買っていただけるのは、ほんの一握りの商品である。そんな状況下で、我々としては「これが良い商品ですよ」ということを情報発信する。そして、情報がお客様の心に響く。我が社は、こういったことができる小売業にならないといけないのだ。
出典:成功は一日で捨て去れ
メーカーであれば、小売店に商品を渡すだけで、どんな宣伝をして、どこの売り場でどういう状況で売られているのかをよく知らない。我々のようなSPAであれば、自信があって作った商品やお客様にとってメリットのある商品、ニーズを満たせると考える商品に関して、それぞれの特徴を価値ある情報として発信することが可能だ。
それがぼくの言う「第三世代SPA」である。
これは日本でも、世界中のどこでも通用する考え方だと思う。
出典:成功は一日で捨て去れ
柳井さんはこの本の中で、製品とともに付加情報を
伝えることが非常に大事で、それを「第三世代SPA」
というワードで定義されています。
僕も、この意見に同意しています。
現代は、モノがあふれていて、そのモノたちはどれ
も品質が高く、ダメなものはもはや見つけられない
ほどです。
まずいコーヒーをだす店や、まずいカレーを出す店
はを見つける方が難しい時代です。
ですから「みんな良い」状態が基準であり、精魂込
めて作った製品であっても、他との機能的な大きな
差異はなかなかに生み出しづらいのです。
だからこそ、付加情報として、自分たちがどういう
思いで作り、どの部分が製品の特長であり、その製
品の機能だけではなく、製品によりもたらされる生
活の改善までを顧客に訴求する必要があるのです。
家具やインテリアというジャンルは、特にこの訴求
が重要だと思います。
それは、多くの人が共通して経験値の低いジャンル
であり、審美眼が養われていないからこそ、訴求に
よって、しっかりと顧客に伝えなくてはならないと
考えているからです。
だからこそ「訴求」が「開発」の次にしっかりと
位置づけられていることに、勇気をもらう思いが
したのです。
顧客創造の順序
というわけで、ドラッカーから示唆をうけて考えた
僕たちの強みの認識と、思考の方向性の変化につい
て、書いてきました。
今後は、開発をまず起点として捉え、良い製品づくり
により一層力を込めていこうと思います。
また、製品を作ることだけでなく、それを訴求する
力は、他社よりも僕たちは優れているのは間違いの
ない強みですので、そこも同時にさらに強化してい
こうと思います。
経営や、ブランドハンドリングにておいて、いかに
他社に模倣されづらく、競争を避けられるポジション
に辿り着くかが、非常に重要だと思います。
今回の示唆を受けて、これからの事業活動のハンド
ルをほんの少し切っていくことで、より顧客に求め
られるブランドに変わっていければと思います。
そして、変わらず目指すのは、身近な人たちから、
見知らぬ人まで、たくさんの人を今よりも少しでも
幸せに携われるような、そんな事業です。
それでは、また来月に。