
1万人に1人の人材
2023年 01月16日 カテゴリー:考えてること

こんにちは。やまもとです。
今月のテーマは「1万人に1人の人材」についてです。
「1万人に1人」ということは、かなり希少な確率
ですね。まったく自分には関係のない話......と思わず
ぜひ最後までお付き合いください。
多くの働く人にとって、実は、いままさに目の前に
第一歩がある事柄と思います。
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まずは、身近な例を使って、1万人に1人を共通の
イメージにしておきましょう。
ぼくの小学生のころは、1クラス3~40人くらいで、
それが5クラスくらいだったので、1学年が約170~
180人くらいでした。
1年生~6年生で掛け合わせると、1つの学校でおよそ
1000人くらいの生徒がいるイメージでしょうか。
ということは、一つの小学校を例にとると、10年間
の全生徒で1万人です。
1万人に1人というのは、学校を例に出すとやはり
相当稀な確率で「神童」とか言われそうなレベルですね。
とても、自分にはあてはめられないイメージと思う
方も多いかなと思います。
次に、100人に1人をイメージしましょう。
100人に1人くらいの能力であれば、小学校でいうと
3クラスで1番くらい。
3クラスで一番足が早いとか、3クラスで一番声が
大きいとか、3クラスで1番とかは割とあり得そうです。
もちろん、足の速さとかじゃなくても、漫画にめちゃ
詳しいだとか、日本の歴史を全巻読んでるのは自分
だけだとか、電車好きで路線にめちゃ詳しいとか、
なんでも良いです。
つまり、100人に1人の能力というのは、3クラスで
1人くらいはいるという、それほど大層な能力でも
ないということです。
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では、仕事の話に置き換えましょう。
例えば、コミュニケーション能力が高く、多くの顧客
を持つ営業マンであったり、商品やトレンドに詳しい
店員だったり、エクセルでの資料作りが上手だったり、
英語が話せたり、人のマネジメントが得意だったり。
1万人に1人というほどの特別な能力はないけれど、
100人に1人くらいの能力かなーと思うくらいは
持っている方も多いのではないでしょうか。
会社の規模がさほど大きくない場合は、会社で自分が
一番だろういう能力であったり、大きな会社の場合は
部署で一番の能力を探すイメージです。
イメージしてみてください。
なにか1つでも1番のものがあるでしょうか。
あったとすれば、それが自分の代表スキルです。
そして、ポイントはここ。
このような「100人に1人」くらいのスキルを、自分
のなかでもうひとつ探してみましょう。
もしなければ、もうひとつをこれから身に着けていく
つもりのものでもかまいません。
100人に1人のスキルを2つ身に付ければ、その両方を
持っているのは、かなり希少な掛け合わせとなります。
つまりは、100人に1人 × 100人に1人 = 1万人に1人 です。
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より分かりやすいように、具体的に仕事のスキルに
あてはめてみましょう。
例えばインテリア業界に置き換えてみると、
・北欧インテリアの歴史に詳しく、
北欧名作家具の特性にもくわしい
という能力があるとしましょう。
北欧インテリアは、家具の歴史が深く、名作家具が
とても多く、日本でもとても人気です。
数十年前にデザインされた家具たちですが、現代に
おいても、北欧インテリアファンは多く、その歴史
や製品については、興味を持つ人も多いでしょう。
つまりは、北欧インテリアにおいて、100人に1人の
レベルくらいに詳しければ、それはひとつの武器と
言えます。
僕たちの会社で言うと、スタッフは総勢60人弱くらい
ですから、この点において一番詳しければ、社内にお
いて、みんなに教えたりもできますし、お客様に案内
もできるということで、非常に重宝される人材と言えます。
(実際に、そのメンバーが社内で講習会をしたりもします)
この様に、100人に1人レベルでも、小さな会社単位
でいくと、貴重な人材として扱われます。
ただ、この単一の能力であれば、もし、転職する時
などには、希望の転職先には、同じように北欧イン
テリアに詳しい人がすでに在籍していたりする事で、
その希少性は薄れてしまうことも往々にしてあります。
ですから「100人に1人」では弱いわけです。
そこで、もうひとつ「100人に1人」のスキルを身に
着けているとしましょう。
・一眼レフで撮影できて、補正もできる
こういう能力があるとしましょう。
そうすると、この人は
・北欧インテリアの歴史に詳しく、
北欧名作家具の特性にもくわしい
×
・一眼レフで撮影できて、補正もできる
という2つの能力を掛け合わせて、希少性を発揮する
ことができます。
実際に掛け合わせると、
「北欧インテリアに詳しく、製品にも詳しく、
一眼レフで撮影できて、補正もできる」
ので、
「自ら文章を書いて、撮影もして、北欧インテリア
の魅力を多くの人に伝えられる人材」
となるわけです。
この様に「100人に1人」のスキルは、一見非常に
凡庸に聞こえますが、それは単体で見た時です。
このくらいの強みであっても、2つを掛け合わせる事
で、強い希少性を持たせることができます。
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より具体的に例えてみましょう。
例えば、リセノのカメラマンとして働くときには、
基礎能力として
・一眼レフで撮影できて、補正もできる
・インテリアをコーディネートできる
・製品のストロングポイントを見つけられる
みたいなスキルセットがあります。
それぞれの能力を分解すると、さほど希少性のある
能力とは言えません。
ただし、3つの能力を掛け合わせることで、その分野
では、ほかに負けない希少性を出すことができます。
つまりは、外注先のプロのカメラマンを雇ったとしても
〇 一眼レフで撮影できて、補正もできる
× インテリアをコーディネートできる
× 製品のストロングポイントを見つけられる
みたいなことが起こりますから、プロのカメラマン
であっても、インテリアのカメラマンは務まりません。
ですから、例えば、
インテリアを扱うカメラマン
として、自らのキャリアの価値を高めていきたい
とする時に、
「自分なんかの技術は凡庸だから、10年カメラマン
をやってきたプロには、技術が遠く及ばない...」
なんてことを思ってしまいがちですが、もうひとつ
の100分の1を掛け合わせるだけで、
「インテリアのカメラマンなら、私はかなり希少な人材です」
と言えてしまうわけです。
そして、会社としては、意外とそのような希少な人材
を探しているわけで、マッチングが上手くいけば、
良い条件で働くことも可能なわけです。
また、この能力に
・ITの知識と経験
・サービス業の経験
を掛け合わせれば、EC事業を開始することも容易
でしょうし、
・SNS運用の知識と経験
を掛け合わせれば、自己プロデュースをしながら、
仕事を受託することもできます。
つまりは「100分の1」をどんどんと掛け合わせる
ことで、さらに希少性を増していくことができ、
自らのビジネスマンとしての価値を高めていく事も
できるわけです。
タイトルにした「1万人に1人の人材」というのは
「自分には関係のない天才的な人」ではなく、
「凡庸な能力を掛け合わせて磨いた身近な人」と
言い換えることができるわけです。
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さて、最後に、今回の本題&まとめです。
仕事において、新たなチャレンジの機会が少なく、
閉塞感のある方。
この会社で吸収できることは、もうないかもなんて
思っている方。
漠然とそんなことを考えている方は、20代~30代の
中には、わりと多くいらっしゃるのではないでしょうか。
その方たちは、自らのスキルセットを掛け合わせる
という発想をぜひ持ちましょう。
メインの業務内容とは別に、もうひとつ100人に1人
の能力を磨くことで、その掛け合わせは将来の強力
な武器となります。
もしも将来の独立を考えている人なら、会社という
のは多様なプロが集まる「学校」のような場所です
から、自らの姿勢次第で、自分の持っていない技術
をプロから多くを学ぶことが可能です。
学びながら、副業としてスキルセットを磨いていく
のも良いでしょう。
僕自身は、20代に得た
・インテリア小売業の知識と経験
・ITの知識と経験
の2つを掛け合わせて、リセノという事業を立ち上げ
ました。
それぞれの知識は、100人に1人のレベルにさえ
達していない極めて凡庸なものでした。
ですが、どちらか一方だけでなく、2つの能力を
掛け合わせた能力は、当時は希少性が高く、他者
よりも一歩先んじて事業を起こし、その後にさらに
スキルを掛け合わせながら成長を続けることで、
軌道に乗せることができました。
「1万人に1人」なんていうと、自分とは関係のない
話と思う方も多いでしょうが、そうでもありません。
「100人に1人の能力を2つ磨いて、掛け合わせている人」
なだけです。
リセノの根底にある「兼任思想」も、このような
想いが根底に流れています。
兼任と、育成と、継続と。
ぜひみなさんも、自らの得意分野を2つ見つけて、
磨き続けていただければと思います。
その可能性のかけらは、よく見たら目の前に転がって
いるけれど、手を伸ばそうとしていないだけのことが
多いと僕は思います。
では、また来月に。
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追伸:
先日、複数のスキルを磨いた1人の若者が、リセノを
巣立っていきました。
大学生として入社して以来、可愛がっていたスタッフ
ですが、あの頃には何もスキルを持たなかった若者が
様々な能力を磨き、その掛け合わせを基に事業を開始
するために独立していきました。
彼は、話の合う飲み仲間でもあり、大いに寂しくも
ありますが、またひとり自分の夢を実現するために
旅立つ事は、非常に嬉しくもあります。
彼は多くの可能性のかけらを集めて、コツコツと自分
だけの希少な能力に仕立てていました。
僕が独立した28歳と奇しくも同じ年齢での独立です。
願わくば、僕がそうであったように、多くの仲間に
助けられて、彼の事業が軌道にのり、人としても、
事業としても、大きく成長してほしいなと思います。
ちなみに、リセノには引き続き関係してくれるので
成長を楽しみに見守ろうとも思います。
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