僕が考えるブランディングに必要な8つのポイント
2015年 10月09日 カテゴリー:リセノ
ここ数年にわたって、ブランディングについて、
ずっと考えています。
ここ数日は、もっともっと考えています。
お店をブランド化できれば、価格競争に巻き込まれる
ことも少なくなり、ファン(=お客様)へ向けた取り
組みもしやすくなり、その他にも、集客や採用活動
など、さまざまな良いことが付いてくるからです。
旧来のECショップにありがちな、価格勝負をしている
と、その優位性が高い時は、競合店との競争にも打ち勝ちます。
しかし、それでは短期的な成功があったとしても、
本当の意味での長期にわたる経営はできません。
Amazonなどの大手企業が参入してきたら、価格の
優位性なんて太刀打ちしようがないですしね。
お店をより良くし、価格競争から脱却し、安定した
運営を行うためには、ブランド化は必須の案件です。
そして、ブランド化を果たすためには、
ブランディング=ブランドイメージをあげる活動が必須です。
僕も、理想的なブランド化を果たすために、自分なり
にブランディングについて学び、考え、リセノでも実践してきました。
それは、実店舗展開であり、マガジンであり、
ブログであり、リトルプレスであり、写真であり、
品揃えであり、カフェであり、、、 といったものです。
そして、今回、新たな気づきとともに、
ブランディングに必要な8つの事柄をまとめてみました。
「ブランディング」をあらためて説明します。
さて、ブランディング8項目をご紹介する前に、
あらためてブランディングとは何かを説明しておきます。
ブランディングとは、「Brand-ing」なので、お店を
ブランド化していくことを指します。
「ブランド」はひとことで言うと、お客様が企業やお店にもつ好意的なイメージのことです。
わかりやすく言うならば、下記のような感じです。
- ブランド・ロイヤルティ(ex:「やっぱビールはアサヒに限る」)
- ブランド認知(ex: 「あ、資生堂の新しい化粧品が出てる」)
- 知覚品質(ex:「ナイキのスポーツシューズならまず間違いないだろう」)
- ブランド連想(ex:「ジャガー=高級車」)
ブランドには、信頼感や安心感、好意的なイメージ
を連想させ、ファンになってもらい、長くお店を利用し続けてもらえる力があります。
ブランドを感じてもらえるお店や商品は、価格の高低
に左右されない独自のポジションを獲得できます。
名もない靴:8,000円と、NIKEの靴:10,000円なら、
もちろんNIKEを買っちゃうって人も多いでしょう。
これが、ブランドであり、このブランドを作って
いくのが、ブランディングという活動です。
ブランディングとは、お店を好きになってもらうこと。
さて、話を戻しましょう。
今までも、僕たちリセノが、たくさんの
ブランディングを行ってきたのは、前述のとおりです。
これらの活動のおかげでしょう、Facebookなどを
通じてファンでいてくださるお客様の声を目にする事
も増え、リセノにも、少しはブランド感が出始めてきました。
でも、まだまだ全然です。
前年度に東京にお店を出したことで、僕がイメージ
していたブランディングのプランは、いったん出し切りました。
そして、この先のブランディングは、どうしようかと
考えている中で、ふと気づきました。
「ブランディング」という大きな定義として考える
から話が難しく、かっこよく、聞こえよく考えがちなんじゃないかと。
ブランディングという難しい言葉じゃなく、そのまま
「お店を好きになってもらうために」と置き換えればどうでしょう。
そもそも長く愛されているお店は、
「信頼感や安心感、好意的なイメージを持ってもらう」
ための取り組みを、ブランディングなどという言葉が出てくるずっと以前からやってきたはずです。
つまりは、ブランディングは、お店を「好き」に
なってもらう事と限りなくイコールに近く、延長線上にあるんです。
そう気づくと、一気に思考が進みました。
そして、あらためて、自分が純粋に普段から「好き」
と感じているお店の共通点を見つけて、なぜそう感じているかを思い返してみました。
たとえば、飲食店。
僕が呑みにいくお店は、たいてい一緒のお店ばかり。
好きなお店がいくつかあり、そのお店たちをぐるぐると日によって変えています。
この行為を分析すると、完全に
「信頼感や安心感、好意的なイメージを連想」して
いるからこそ、同じお店ばかりに行くのです。
すでに自分自身が、知らず知らずのうちにそれぞれの
お店に「ブランド」を感じ、それを重視してお店選びをしていたんです。
なんだ、こんな簡単なことなのか。
そう思いました。
僕が考えるブランディング8項目
こんな風にブランディングをシンプルに捉え直し、
あらためて、ブランディングに必要な要素を考えてみました。
以下の8つが、再定義したブランディングに必要な項目です。
- 質がいい(合っている)
- 雰囲気・居心地がいい
- 対応がいい
- 期待感
- 優越感
- 喜んでもらえる
- 共感できる
- あこがれ
順番に紐解いていきます。
質がいい(合っている)
他にどんないい要素があろうと、これが出来ていない
と、ブランドにはなれません。
飲食店なら、そもそも美味しくないとダメ。
インテリアなら、家具の質が良くて、おしゃれじゃなきゃダメです。
また、質がいい=いい素材を使っている ではなく、
自分と趣味が合っている、欲しいものと合っているという捉え方が、重要だと思います。
これはシンプルでいて、お店を好きになってもらうために、もっとも重要な項目です。
雰囲気・居心地がいい
美味しいご飯が出てきても、食事の環境が悪いと
ダメです。せっかくの美味しいご飯が、マズくなります。
僕たちなら、京都、東京、Webの売り場の雰囲気や
デザインがとっても大事です。
お店ならかかっている音楽とかもそうですね。
その場にいて、落ち着いたり、ウキウキしたり、話が弾んだり。
Webなら、サイトのテイストや、使いやすさも、居心地の良さのひとつです。
これが大事です。
対応がいい
これも大事。
せっかくいい商品を置いていても、スタッフの対応が
悪かったり、偉そうだったり、期待に応えてくれなかったり。
対応が悪いと、すべて台無しです。
対応とは主に「人」が関わるものですから、やっぱり
人は大事なんですね。
「モノ→コト→ヒト」というニーズの移り変わりが
よく言われますが、ヒトはいつの時代も、お店を
好きになるのに、とっても重要な要素です。
Webならカスタマーサポートのクオリティとスピード。
居酒屋さんなら、スタッフの笑顔や空気感が気になります。
期待感
お店を好きになってもらうためには、期待感は大事です。
まだ自分の中には引き出しはないけれど、あそこの
お店に行けば、何か新しい発見があるんじゃないかという期待感です。
この期待感にお店が応えてくれると、僕の中で、
そのお店のブランドは、一気にあがります。
「次はどんな発見があるだろう」
こう期待して、お店に注目し、ときどき足を運ぶよう
になります。
そして、この期待に応え続けるうちに、お店はブランドとして捉えられる様になります。
アーリーアダプトな品揃えや、ヴィンテージや復刻系
の絶妙な品揃えがあると、個人的には期待感を感じます。
優越感
そのお店で買うと、一緒に優越感もついてくるという類のものです。
「良いものを手に入れた!」
「良いものを使っているんだ!」
「これを使ってるって、俺ってイケてる!」
という優越感。
これは、「良いものを買ったんだ。」という安心感
にもつながります。
ブランド化が進むにつれて、この優越感もあがって
いきますし、そこで働いているスタッフも同様に感じるでしょう。
喜んでもらえる
友人や家族、同僚などをそのお店に連れて行った時に
喜んでもらえるというのも、お店を好きになるポイントです。
そのお店に連れて行ってもらった人は、
「こんないいお店に連れてきてくれて、うれしい。」
「この人に、大事に扱われている。」
と思うでしょう。
そして、その感謝の気持ちが、自分にも伝わり、
連れて行った自分も嬉しくなる。
そして、自分と友人の両方が良い気持ちになり、
それを媒介したお店を、より好きになる。
こんな構造です。
インテリアショップなら、実店舗もそうでしょうし、
ECなら、ギフトのときに同じことが考えられます。
「高島屋の紙袋」的な事ですね。
共感できる
これはお店のコンセプトや、創業者の思いなどの
メンタリティな部分への共感です。
お店の裏側の部分を知り、そこに共感を覚えると、
思い入れが生まれます。
思い入れが生まれると、応援したくなります。
人と一緒ですね。
共感を得るためには、ある程度の情報を開示し、
コミュニケーションを取ることも大事でしょう。
あこがれ
お店は、お客様と同率ではなく、ちょっと先を行って
なければなりません。
「自宅で作れない、美味しい料理を作ってくれる。」
「インテリアに詳しい」
「憧れの部屋に住んでいる」
こんな風に、自分ではなかなかそうはできないけれど
このお店はやっている という憧れが、お店により魅力を感じさせます。
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さて、以上で8つです。
この8つの項目をしっかりとクリアしていくと、
人はそのお店に「信頼感や安心感、好意的なイメージを連想」しだします。
これがすなわちブランドです。
大々的なプロモーションや、派手なイベントは
ブランドイメージに大きく寄与します。
大手企業が、有名人を使って、ばんばんとCMを
流すのも、ブランディングの一部です。
では、僕たちのような中小企業がブランディングが
できないかというとそうでもありません。
上記の8項目をしっかりとクリアしていくことで、
きちんとブランドとして認識されていきます。
「誠実な」「気持ちのいい」といった類の形容詞もつくかもしれません。
今回の気づきの中で、派手で、インパクトのある事
じゃなくても、ブランディングができるんだという自信と方向性が出来ました。
リセノで8項目をどういった方法で実施するかは、
いくつか構想を思いついているのですが、今はまだナイショ。
1年後には、8項目のレベルを上げて、ブランドとして
認知されるようにがんばっていきます。